赤塚みなみ保育園赤塚みなみ保育園

2024年 11月
 
あいさつについて
 
 あいさつは、国境や性別や年齢、また立場も越えて誰にでも話題がなくてもコミュニケーションがとれる魔法のことばだと思います。
 
 あいさつをする相手の範囲も、声の大きさもそれぞれで恥ずかしくてできない子もいましたがコミュニケーションにより心を開いて自然と出来るようになっています。
 
 ある朝、こどもたちの登園を待っていると駐車場から「おはようございまーす!」との声が聞こえてきました。年少さんが通りがかりの方に挨拶をしていました。それを見た時に私は嬉しい気持ちになり「元気に挨拶が出来て素敵だね。誰とでもできるなんてすごいね!先生嬉しくなっちゃった」と伝えました。その子もニコニコとした笑顔になり、見ていた私もママも嬉しいしあいさつをされた方も嬉しそうでしたし、その子のあいさつ一つで朝からみんなが幸せな気持ちになりました。年少さんだからまだ生まれて4年しか経っていないのに自分から臆せずに挨拶が出来るなんて素敵ですね。小さなころからの習慣は大人になってからも忘れないものなので社会交流の得意な素敵な大人になる事でしょうとまたわくわくするような、眩しいような気持ちになりました。あいさつを返してくれるご近所の皆様もいつも本当にありがとうございます。
 
 今の時代、「知らない人とは話してはいけない、知っている人にも気を付けなければいけない」と教えられているので、近所の顔見知りの大人にも挨拶が出来なくなっている子供たちが一般的に多いと思います。今は高校生でも学校でのあいさつの指導があり、大人ならあいさつは大事だと誰もが知っていることなのに難しい問題となっています。「知らない人と話してはいけない」というのは危険性やその他相手の都合も考えているのだと思います。ですがその前にこども自身の「自分から誰にでも挨拶が出来る」ということが大事な事であり、挨拶をする相手なのか今は挨拶をしても良いタイミングなのかの判断は成長ののちに自ずとわかるようになります。たとえば保護者の方やわたしたちまわりの大人が積極的に挨拶をすることで挨拶をして良い範囲、しなくてもよい範囲の模範を示すことができます。危険性やあいさつとそれ以外の会話などの区別は理解が出来るようになったときに説明すれば良いと考えます。
 
 保育園時代は保護者同伴なので安全です。理解が不確かな頃に否定されたと感じてしまうと素敵な芽を摘んでしまいます。挨拶が出来るという事は良い事なのに罪悪感をもたせたり、間違った意識を植え付けて心のバリアを作らせないように「自分から誰にでも挨拶が出来る」というその子自身の素敵な所を大事にしていきたいです。(和泉)
 
 
 


2024年 12月
クリスマス発表会と食育

 12月はクリスマス発表会がありました。歌にダンスに太鼓と、発表会当日はわたし達も一緒にみなさんの演技を楽しみました。園児の皆さん、保護者の皆様も楽しい時間と感動をありがとうございました。人数の多くない保育園なので個々の演目が多く大変だったと思うのに皆さんよく頑張りましたね。
 
 練習している間に、おうちの方や私たちに「今年は頑張る!」「恥ずかしくてできないかもしれない…。」などそれぞれ言っていたので、皆それぞれに、おうちの方と良い関係で良い環境だと思います。成長しても、その時その時の自分の困りごとを保護者の方やまわりの人達に伝える事が出来ればこれからの人生に関わる先生方やお友達もサポートができますし花丸だと思います。恥ずかしがりやさんなのは繊細で慎重であり、人の困ったことにもよく気が付ける性格の持ち主だという裏返しでもあります。それに、大人の私たちでも人前で話をしたり歌ったりは恥ずかしいものですよね。ゆっくりと慣れていきましょう。
 
 クリスマス発表会の終わりには保護者の方扮するサンタクロースがご褒美をもって来てくださり、こども達には「もうじきたべられるぼく」という食育の絵本が贈られました。人に食べられるうしさんのお話で、うしさんが食べられるために命を捧げることを受け入れているお話です。
 
 食育で大切なのは食事は楽しいと思うこと、いろいろなものを食べて美味しいと感じることなどもありますが、この絵本では食育のもうすこし深い道徳面をねらいとしています。決して肉食の否定ではなく食べもの全般に命があり、その命により自分の血となり肉となること、食べ物への感謝の気持ち、食べることは大きくなる為、生きるために必要な事で悪ではない事、食べることは生きるという事、命のリレーをしているのでできるだけ無駄にしない事、繋いでもらった自分の命も大事にする事を理解するのに良い絵本だと思います。
 
 こども達によってはうしさんの抱く気持ち、やさしい気持ちにショックを受けて悲しくなったり、また現実的には思えなかったりと色々な反応がありました。年少さんには少し早いかなと思っていましたが、ふんわりと理解した感じの子が多かったので成長ののち理解を深める事でしょう。
 
 園でも読み聞かせをしました。普段元気な男の子がしんみりして「なんか悲しいよ」といっていたり、贈られた絵本を保育園に持って来て読んでは涙を流し、お昼寝の時間には大切に枕元に置いて眠る子も居て…。こどもたちの気持ちとは、とても尊いものだなと改めて感動しました。
 
 つばさ組さん(3,4,5歳児)のその後の給食では、残さずに頑張って食べる姿勢が見られたり気を散らさずに静かに食事をしていたり、何も言わずとも美しい所作だったりと食べるという事に対するみなさんの姿勢が変わりました。うしさんを通して命のうつくしさ、食べる事、食べることが出来る事に対する感謝の気持ちを感じているとの声も聞けて、こどもたちそれぞれの胸に響いたのだろうなと嬉しく思います。
 
 ここから3月の卒園式までは、あっという間に過ぎることだろうと思います。
もうすぐ卒園するこどもたちとの日々をみんなで大切に過ごしていきたいと思います。
2025年も引き続きご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。(和泉)